■ 独立する
テレビマンユニオンは、1970年2月25日に創立しました。
制作者が放送局からはなれて独立した、日本最初の独立テレビプロダクションです。
大きな会社に所属していては、制作者として自立できない。そう考えて制作者は、大きな組織を離れ、自立しました。自らが〈制作者〉という職業を選びとったのです。
この旅立ちは〈海図なき航海〉でもありました。
■ 新しい演出をする
テレビマンユニオンは、それまでのテレビジョンに新しい演出論を持ちこみました。
テレビジョンに新しい風を吹きこみ、高く評価され、多くの賞を受賞しました。たくさんの広告主、放送局、広告代理店から新しい番組の制作を依頼されるようになりました。みんなが実は新しい演出論を待っていたのです。
■ 新しい組織を創る
新しい組織には、新しい組織論が必要です。
テレビマンユニオンは、メンバーシップという制作者のための独自の組織論をつくりました。
制作者が自ら出資し、経営に責任をもち、つねに組織のあり方を考える。議決の権利は一人一票。同等の権利をもって、組織の現在を考え、未来を選びとっていく。制作者が自立するという前提で始まったこのメンバー制度は、今もつづいています。
それが組織論として正しいかどうか、私たちはわかりません。しかしこのメンバーシップを、私たちは〈組織論の試み〉と考えています。
■ 新しい文化を創る
テレビジョンという方法論で文化をみつめなおすことを、テレビマンユニオンは試みました。
旅番組「遠くへ行きたい」、ドキュメンタリードラマ「欧州から愛をこめて」、3時間ドラマ「海は甦える」、芸術祭テレビドラマ部門大賞受賞「波の盆」、音楽におけるレギュラー番組「オーケストラがやって来た」(TBS)、スペシャル番組「北京にブラームスが流れた日」(TBS)、美術におけるジャンヌ・モローの「印象派・光と影の画家たち」(TBS)、科学における「生命潮流」(NTV)、アーサー・C・クラークの「宇宙からの証言・地球。」(ANB)、自然における「日本列島四季物語」(ANB)など、文化をテレビジョンの番組としました。
そのテレビジョンの文化潮流を多くの広告主が支持しました。電電公社(現NTT)、サントリー、キリンビール、日立製作所、日本IBM、松下電器、日本生命、資生堂、西武百貨店、セゾングループ、国鉄(現JR)、SONY、東芝、NEC、日本たばこ(現JT)、大塚製薬、東レなど、すばらしいスポンサーが私たちに文化の番組の制作を依頼してきました。
それらは日本のすばらしい賞を受賞しました。
■ 新しい娯楽を創る
テレビマンユニオンは、娯楽にも新しい演出論を生み出しました。
1977年「アメリカ横断ウルトラクイズ」(NTV)が生まれました。クイズとドキュメンタリーを合わせた新しいクイズ番組で、回を重ねる度に応募者も爆発的に増えてきました。視聴率は30%を何度も越えるヒット作となりました。
1986年には日立製作所の提供で「世界ふしぎ発見!」(TBS)が生まれました。草野仁の司会、黒柳徹子、板東英二、野々村真の名レギュラーの個性が魅力的で、歴史をクイズにした知的エンターテインメント番組の最高傑作といわれています。世界の歴史を語り、文明遺産を記録し、楽しいクイズに仕立て、強い人気をもちつづけています。
■ 地上波テレビも変化する
東レ提供「世界ウルルン滞在記」(MBS)は、若人が世界を旅し本気で体験する人間ドキュメントのビデオ取材と、スタジオのクイズを組み合わせたヒューマンなエンターテインメント番組を創造し、1995年から日曜夜のレギュラー番組の成功作となっています。徳光和夫の司会、石坂浩二、清水圭らの回答者が、若者の挑戦に感動する姿に人気が集まりました。
今、テレビマンユニオンはNHK総合、NHK教育、NHK衛星第1、第2で、ドキュメンタリー、クイズ、討論番組など数多くの番組を制作しています。NHKでもっとも数多くの番組を制作しているプロダクションといえます。
民間放送では、東京のNTV、TBS、CX、ANB、TX、大阪のYTV、MBS、KTV、ABCで、ドラマ、ドキュメンタリー、バラエティ番組、情報番組を制作しています。
衛星放送のWOWOWでは、1990年11月29日、開局したその日の特別番組「宇宙TVが世界を変える」を制作しました。
■ デジタル放送を迎える
21世紀はデジタル放送の時代。
テレビマンユニオンはデジタルの時代における新しい演出論、技術論、方法論、組織論を生み出します。デジタルの時代には、テレビジョンをコンピュータと結びつける、放送を通信と結びつける、情報と流通を結びつけるというように、色々な新しいメディアでの展開がはじまります。
テレビマンユニオンは、まずCSデジタル放送において、映画チャンネルの編成に参加しました。株式会社イマジカと共に株式会社シネフィルを設立。スカイパーフェクTVとディレクTVで「シネフィルイマジカ」という名画チャンネルの編成をしています。世界から古今の名画を購入し、放送しています。
■ 新しい方法論の挑戦をはじめる
テレビマンユニオンの最初のカタログにこういうメッセージがあります。「テレビジョンの方法論を軸にして、あらゆるメディアに挑戦する」。テレビマンユニオンはこのメッセージを今にして大きく展開する舞台を得ました。
1998年2月7日の長野冬季オリンピック開会式。そこでテレビマンユニオンは、小澤征爾指揮、ベートーヴェン作曲「第九」の合唱を五大陸のニューヨーク、北京、ベルリン、シドニー、ケープタウンから同時中継で、音声を同調させるというむずかしい技術を克服して、世界中に放送し、大きな感動を呼びました。こうした音楽イベントを実現する能力を、テレビマンユニオンはカザルスホールでの公演で築きあげてきたといえます。
カザルスホールで企画、制作、自主公演を行い、新日本フィルハーモニー交響楽団のハイドン交響曲全曲の演奏会、ジュリアード弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲の演奏会、カザルスホールアンサンブル、今井信子のヴィオラスペースなどを企画制作し、高い評価を受けました。
テレビマンユニオンの映画製作は、国際的にも高く評価されました。第1回自主製作作品「幻の光」は第52回ヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞、シカゴ国際映画祭でグランプリを受賞しました。第2回自主製作作品「ワンダフルライフ」は、ナント三大陸映画祭グランプリを受賞しました。「ディスタンス」は 2001年カンヌ国際映画祭コンペティション正式出品となりました。
■ すてきなプロフェッショナルになる
テレビマンユニオンには、メンバー(プロデューサー、ディレクター、カメラマンのプロフェッショナル)に加え、制作職社員(メンバーを目指す制作・技術)、総合職社員(経営・企画・事業・管理)、事務職社員(経理・総務・デスク・秘書)がいます。そして、毎年新人が入ってきて、若がえっています。年齢、性別、国籍に差別なく、みんなが共に働くオフィスを志しています。
ただひとつ、厳しい条件があります。それはプロフェッショナルであること、あるいはプロフェッショナルになろうとすることです。自立したプロフェッショナルであることが、テレビマンユニオンの絶対条件です。
■ 人間と社会と環境を尊厳する
テレビマンユニオンのプロフェッショナルは、人間の尊厳、社会の尊厳、宇宙・地球の環境の尊厳を大切にします。
制作者のジャーナリストとしての責任が問われる時代に、ジャーナリストとしての人間への尊厳の心、社会へ貢献する心、環境への尊厳の心を、制作者らしく自らの方法論で考えていくのが、21世紀のテレビマンユニオンの方法論でもあります。
制作者である前に人間である、ジャーナリストである。その視点で人間を見る、社会を見る、自然を見る人間主義(ヒューマニズム)を貫きます。人間に対し、つねに興味をもつ。その行動を観察する。分析する。愛情をもって人間の心に接する。
それをメディアの人間主義、メディアヒューマニズムと考えます。
■ テレビマンユニオンは考える
テレビマンユニオンは考えています。〈テレビジョンとはなんだろうか〉と…。今も考えています。
ブロードキャスティング(放送)とは、畑に種を播くブロードキャストから生まれた言葉です。
しかし、今のテレビジョンは一方的に種を播く放送の時代をはるかに越えて、その種が社会を、政治を、歴史を動かしていくようになりました。そこから芽が出、実が生まれ、人間や社会と関わるのです。 そして、今では双方向の通信も可能なメディアとなってきました。インターネットとも手を結びます。テレビジョンはまた、新しいメディアにその姿を変えはじめています。〈すぐれたものを創造する〉、それを原点として、創造するという行為がなににむかうべきなのか、それを考えるのが21世紀のテレビマンユニオンです。
考えるテレビマンユニオン。 それは「テレビジョンとは思考形式である」ということであり、「テレビマンユニオンは思考組織である」というべきかもしれません。
テレビマンユニオンは21世紀の凛としたはりつめたメディア空気の中に身をおきます。創造は使命なのか、遊戯なのか。神のごとき未知なるものに、私たちの熱情にみちた身を委ねようとしています。新しき世紀に祝杯を。 その日から、またなにかがはじまります。目をつぶってみて下さい。未来は暗黒ではなく、想像力がわたしたちの新しい創造を描きはじめています。そのとき、どんな歌がきこえてくるのでしょうか。